当院でできる検査について
レントゲン撮影
当院では、胸部や腹部含め、全身のレントゲン撮影が可能となっています。 撮影させて頂いた画像は、すぐさま診察室へと送信され、デジタル画像でご一緒に確認頂く事が出来ます。
X線を体内へ通しフィルムへ焼き付けることによって、X線が通過する部分は黒く、通過を阻止された部位は白く写り、内部の構造を影絵の様に知ることができます。 この検査によって、肺炎含む肺の病気、心臓の肥大、尿路結石などある程度病気の原因に迫ることができます。しかし、あくまで「X線による影絵」なので、さらなる精密検査のためCTや超音波検査が追加で必要となることもあります。
心電図計
胸と両手両脚に機器をつけて頂く事で、一般的な心電図検査をさせて頂けます。不整脈、狭心症や心筋梗塞などを発見することが出来ます。疑わしい心電図であれば、心臓超音波検査など追加検査に進ませて頂きます。
超音波検査
当院では、毎月第二火曜日と第四土曜日の午前、最終週水曜日の午後に超音波検査の予約枠を設置しています。専門の技師による検査で、第二火曜日と最終週水曜日は女性技士が担当しますので、女性の方でも安心して受けて頂けます。
検査ご希望の方は、一度ご相談下さい。
検査は大きく分けて腹部、心臓、首周り、足が可能です。
腹部の超音波検査では、お腹の中の臓器を調べることで、肝臓や胆嚢、膵臓や腎臓などの病気を発見することができます。食事の影響を受けやすいので、検査当日の朝は絶食で来て頂く事が必要です。
心臓の超音波検査で重要な項目は、心臓の縮む力と拡がる力、心臓の4つの部屋を区切る弁の動き、心臓の壁や部屋の大きさ、などになります。食事の影響は受けませんが、検査中は心臓が見やすいようにご負担の無い範囲で少し身体を傾けて頂く必要がありますので、ご了承下さい。
首回りの大切な臓器は、頚動脈と甲状腺があります。高血圧や糖尿病、脂質異常症などの持病をお持ちの方は、自然と動脈硬化になりやすくなります。しかし、皆さんの体内の動脈は簡単に検査することが出来ません。ところが人間の体には、表面から触ることの出来る動脈が数カ所あり、その内の一つが頚動脈なのです。特に頚動脈は、全身の動脈を写す鏡といわれており、手軽な検査で体全体の様子を予想することが出来るのです。一方甲状腺は、甲状腺ホルモンという物質を作っている臓器です。ホルモンが少なくなる橋本病は女性に多く、なんとなくだるい、むくむ、疲れやすいといった様々な症状を引き起こします。血液検査と併せて調べることが可能です。
一度診察の上で予約をさせて頂きますので、検査ご希望の方はお気軽にお声かけください。
骨密度測定(MD法)
骨密度検査とは、骨の強さを判定するための検査の一つで、血液検査で骨の代謝を一緒に調べることで、骨粗鬆症の診断に迫ることが出来ます。
現在日本の平均寿命は、男性が80歳、女性86歳です。しかし一方で「健康上の問題が無く日常生活を送ることが出来る」健康寿命は、男性71歳、女性74歳と、平均寿命と比べて差があります。自立度が下がり、寝たきりとなってしまうことは健康寿命の最大の敵ですが、要支援や要介護となる原因で最も多いのが運動器の病気なのです。特に女性の方は女性ホルモンが減ってくる50代半ばより徐々に骨密度が低下してくるので、骨折してしまう前の予防が重要と言えます。
骨密度の検査には、当院で施行可能なMD法以外に、DEXA法、超音波法があります。MD法は、左手の人差し指をレントゲン撮影することにより、骨密度を計測する方法です。MD法は正確さではDEXA法には劣る物の、簡易に検査が可能で、骨粗鬆症の診断にも使用することが出来ます。なお、超音波法は非常に簡易ですが、ガイドライン上骨粗鬆症の診断には使用できないとされているため、当院では採用していません。
蓄尿検査
当院では、24時間蓄尿検査というものを行っています。この検査では、一日辺りの塩分摂取量、タンパク摂取量、尿蛋白量、腎臓の働きを推定することが出来ます。
高血圧や糖尿病、心臓病、腎臓病などをお持ちの方は、塩分を控えるように言われる物の、実際自分がどれほどの量の塩分を摂取しているのかは、はっきり分からないと思います。蓄尿検査は、ご都合の良い一日に出た尿を、一つの容器に貯めて頂き、一部分を持参頂く事で塩分量をグラム単位で求めることが可能です。高血圧など持病をお持ちの方は、塩分摂取量目標が一日6gである一方、日本人の平均塩分摂取量は一日10gを越えているとされています。「なんとなく」塩分を控えるのでは無く、明確な目安を持って、塩分を積極的に制限する一助になることと思います。尿を貯めて頂く手間はかかりますが、その手間に見合った、多くの情報が分かる検査ですので、お気軽にご相談下さい。
呼気一酸化炭素濃度測定
当院は禁煙外来を行っており、治療の一環として呼気中の一酸化炭素濃度測定器を設置しています。タバコの煙の中には、トルエン・ヒ素・カドミウム・一酸化炭素といった有害物質が含まれます。その内、一酸化炭素の量を調べることで、どれほどの有害物質が体内へ入っているかの目安にすることができます。詳しくは「禁煙外来」の項目もご参照下さい。
四肢同時血圧測定(血管年齢)
両手両足の血圧を同時に測定することで、両足の動脈硬化による血管の詰まり具合(ABI)と、血管の硬さや血管年齢(baPWV)を併せて測定することが出来ます。
ABIとは…
Ankle Brachial Index(足関節/上腕血圧比)の略称で、足と腕の血圧を比べることで足への血の巡りが悪くなっていないか調べる検査です。例えば、もし左足の血管が動脈硬化で細くなってしまった場合、腕の血圧に比べて左足の血圧は低く出ます。足の血圧/腕の血圧の比を求め、0.9以下であれば足の血管に狭いところがあるという事になります。例えば、腕の収縮期血圧が120mmHg、左足の収縮期血圧が60mmHgであったとすれば、ABIの数値は60/120=0.5となるため、足の血管が狭い事が判明します。
足の血管が狭い状態を、医学用語で「末梢動脈疾患」と呼びます。全身にはたくさんの血管がありますが、足の血管だけが痛むということは希です。つまり、足の血管が狭いことは、心臓や脳における血管の病気にかかりやすい事を表します。
では、どのような方にこの「末梢動脈疾患」を疑うかという事になります。50歳以上で喫煙者もしくは糖尿病をお持ちの方、さらには70歳以上の方は、一度検査をお勧めします。また、平地を100m程歩くと足がだるくなって休み休み歩かれるという方(「間欠性跛行 かんけつせいはこう」と呼びます)もこの病気を疑います。
心当たりのある方は、是非一度検査しておきましょう。
baPWVとは…
Brachial-ankle Pulse Wave Velocity(脈波伝播速度)の略称です。
血管が硬くなると、心臓から押し出される血液の流れは速くなります。固い壁にボールを当てると早く跳ね返るのが、柔らかい壁だと跳ね返りが弱いイメージと同様です。
足と腕に巻いた血圧計を利用し、心臓の拍動が届く時間と距離を計算することで、血液の流れの速さを求めます。この数値がbaPWVで表され、年齢や性別を踏まえることで脳や心臓の血管の病気が起きやすいか、また血管年齢も算出することが出来ます。
ABIもbaPWVも、両手両足に血圧計を装着するだけで可能ですので、お気軽にご相談下さい。検査費用は3割負担の方で300円程度です。
24時間ホルター心電図
「動悸がする」「胸が痛む」
この様な症状があったとしても、いざ診察に行くと症状が治まっていることということは良くあると思います。
診察時に用いる心電図検査では、長くても数十秒間の波形だけでの判断になります。
しかし時々しか出ない不整脈の場合、通常の心電図検査だけではやや力不足の事も有ります。
24時間ホルター心電図は、簡易な心電図の機械を24時間装着することで、不整脈や狭心症の診断に役立つ検査です。
特に、深夜や早朝に生じる胸の痛みや、原因不明の失神発作、不整脈の診断に有効です。
当院で検査方法をご説明させて頂いた後、スタッフが心電図を装着させて頂き検査開始となります。約24時間後に機械を装着したままご来院頂いた時点で検査終了となります。
機械は防水であり、日常生活には支障ありませんが、固定のために粘着力の強いテープを使用しますので、かぶれやすいかたは予めお申し出ください。
検査結果は1週間から10日ほどで判明しますので、後日ご説明させて頂きます。
当院で行うことができない検査
- 呼吸機能検査(肺活量)
- CT
- MRI
→これらの検査が必要な方は、適宜近隣の医療機関での検査を手配させて頂いております。 今後少しずつ当院で施行可能な検査を拡充予定ですので、宜しくお願い致します。